甲子園で女子の練習参加禁止は女性差別か
事件の概要
8月2日に、甲子園出場校の女子マネージャーがグラウンドで練習補助を行い、大会関係者から制止されたことがニュースになっている。大会の規則で、練習に参加できるのは男子のみと決められているためらしい。
各メディアのニュース記事、有識者コメント、一般人のブログやツイッターなどを見ても、「これは性差別だ」という意見が圧倒的なようだ。
規定で女性参加を禁止する理由
当初は、高野連が「安全面の配慮」と説明したとの記事を目にした。
その後は、単に甲子園出場選手の条件が男子生徒のみとなっているので、練習もそれに準じているだけとの説明も目にした。
その規定に「正当な理由」があるか
どちらの理由が本当なのかはわからないが、安全面の配慮(女性はか弱いのだから危険はなるべく排除してあげるべき、という意図)であるならば「女子にやさしい」優遇規定と考えられるかもしれない。「えぇ~、ボールこわ~い」という女子にとっては、怖い練習に参加しなくてすむので嬉しい規定だろう。
でも、そんな女子はたとえ「女子も可」だったとしても絶対参加しないと思うので、参加するか否かに個人の意思が反映されやすい場面で「か弱い女子を守るため」という名目を持ち出すのは意味不明。なので、安全面の配慮による規定とは思えない。
安全配慮の意図ならば、「日ごろから練習に参加しており、監督等が適当と認める技能を有する者」かつ「ヘルメット着用」あたりを基準にすべきで、性別は関係ない。
一方、「多少のけがは覚悟の上だし、そもそもボールに対処できる程度の経験は持っている」という女子にとっては、性別だけを理由に参加できないのは性差別以外の何物でもなく、「女子を禁止する正当な理由がないのに練習に参加できず、不当な扱いを受けた」と表現することに迷いはない。
規定を見直すならば
出場選手規定に準じて、意図せず練習からも女子を排除することになってしまったのならば、今回の騒動を機に規定を見直してはどうか。その際は、「出場選手の規定自体を見直す」か、「練習参加者の規定を新設する」か考える必要がありそうだ。
まあ、出場選手の枠を女子に広げるとは考えにくいので、練習参加者の規定を「日常的に練習に参加している者」あたりにして性別による区別をなくすのが現実的だろう。
もしこのような規定に変えて、その後に女子生徒の練習参加が激増したら、今までの規定は何と罪深いものだったかということになる。
個人的には、出場選手枠を女子にも広げてほしい。女子だって甲子園を目指してもいいんじゃないか、という思いもある。
(どうせ女子まで枠を広げたところで、勝ちに行きたい学校は「野球の能力(投げる、打つ、走る、等)」のみでベンチ入り選手を選ぶのだから、筋力の面で男子に劣ることの多い女子の出場はそう増えないだろうけれども。)
・・・といいつつも、スポーツで男女を分けるのは「試合を公平に行う」という正当な理由があると思うので、真剣に言っているわけではありません。
結論
甲子園で女子の練習参加禁止は「女性差別」と認定。