皇位継承が男系男子に限られるのは女性差別か

背景

現在の日本では、皇位継承権は男系男子にしか認められていない。

 

数年前(悠仁様が生まれる前)には、「皇太子さまの下の世代にもう男子いないよ!どうする?」ということで、女性天皇を認めるべきかという議論も巻き起こったように記憶しているが、悠仁様ご生誕により「これでしばらく安泰」との雰囲気になって立ち消えとなった。

 

2016年3月には、国連の女子差別撤廃委員会がこの皇室典範を女子差別だとして、改正を求める勧告を行おうとしたらしいが、日本が「これは差別でなく伝統」と強く主張し、勧告に盛り込まないよう抗議したことで立ち消えになったそうだ。

【国連女子差別撤廃委】男系継承を「女性差別」と批判し、最終見解案に皇室典範改正を勧告 日本の抗議で削除したが…(1/2ページ) - 産経ニュース

 

差別とは何か

「男女で異なる扱い」を受けており、「男性に認められていることが女性は認められない」という事実だけを見ると、確かに差別のようにも思える。

 

そこで、

差別:特定の属性が、正当な理由なく、他よりも不当な扱いを受けること

と定義してみる。

 

これは裏返せば、「特定の属性が、正当な理由なく、他よりも優遇されること」と解釈できる。

 

男性は優遇されているのか

さて、皇位継承権は男子のみ。では、皇位継承権を与えられる男性は女性よりも優遇されているのか?

 

私は「否」だと思う。

なぜなら、「男系男子は皇位継承を義務化されており逃れられない」というのは、優遇ではなくむしろ負担だと思うからだ。

 

仮に「男子は皇位を継承するか否か選べる。女子は問答無用で権利なし」であれば女性差別だろう。一方に与えられた選択権が他方にはないのだから。

でも現状では、「男女とも選択権なし」ということなので、これは差別ではなさそうだ。

 

変な例えだが、「男子は丸坊主、女子はおかっぱ」という校則に対して、おそらく男子も女子も自分の性別が差別されていると思ったりしないであろう。それと同じ感じ。

 

天皇という存在の特別性

皇位継承権がないという意味では、天皇家に生まれた女子も、一般家庭に生まれたすべての男女も同じだ。

なので、「天皇家の女子に権利がないなんて差別!」と主張するのであるなら、「天皇家に生まれなかったら皇位継承権がないなんて差別!」とも主張すべきように思える。

 

でも、だれもそんなことは言わない。

 

つまり、国全体が、「天皇は特殊な存在だから、その継承について差別とか権利とか主張するような対象ではない」と認識しているわけだ。

 

結論

皇位継承が男系男子に限られるのは、「女性差別ではない」と認定。